@RefreshRoom
サステナ、情報設計、会社の強み……アートディレクターに聞いてみた(その1)
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アートディレクター
N -
デザイナー
松田
クライマークスのリフレッシュルームで聞こえてくるような、「雑談以上、プロジェクト案件未満」の話。今回は、入社したてのデザイナーが、先輩アートディレクターに話を聞いています。今回はその第一弾。
自分で手を挙げて、情報設計の競合調査に関わった。
松田
今日はいろいろお話を聞かせてください。よろしくお願いします!
N
はーい。
松田
あの、Nさんって、サステナの案件をよく担当しているんですよね?
N
いや、そんなことないんだけどね。なんか、そういうことになってる(笑)。
松田
サステナビリティって、前職で投資ファンドのSDGs関連のパンフレットとかもやったことあるし、漠然とはわかるんです。ただ、環境に関することが多いイメージがあるけれど、雇用のこととかも含まれているし、幅広い。そもそもデザイナーとしてどんな風にサステナビリティ案件に関わっていくか、イメージがあまり湧きません。
Nさんは、なんでサステナの案件に取り組むことになったんですか?
N
もともと、サステナ自体にそんなに興味があったわけじゃないのね。ただ、サイト制作のいわゆる情報設計に前から興味があって、あるとき、情報設計の競合調査があったので——本当はデザイナーの仕事ではないかもしれないけれど、手を挙げて、プロジェクトに関わらせてもらった。それが、たまたまその会社と競合他社のサステナビリティサイトを比較、分析するって案件で、やってみたら奥が深くて面白かったんだよね。
もうひとつは、うちのデザイナーはそれぞれが強みがある中で、自分も強みを身に付けたいとずっと思っていて。で、サスティナビリティにすごく精通したデザイナーってあんまりないんじゃないかな、ここ、ちょっと狙いどころかもしれないなって思った。隙間産業じゃないけれど(笑)。
松田
(笑)
N
社内のデザイナーで、サステナやりたい人!って言っても、あんまり手を挙げなさそうだな、なら、そこは全部私がやろう!みたいな(笑)。
デザインの肝って、情報設計にあるんじゃないか。
松田
なんで情報設計をやりたいと思ってたんですか?
N
デザインの肝って情報設計にあるんじゃないかなと思っていたから——というか、今もそう思っているから。私は情報設計もデザインだと思ってる。
ワイヤーフレームができあがった段階でデザインする形だと、いわゆるデザインにおけるスタイリングの部分しか手が出せない。ある程度情報設計が決まっていて、お客さんとも合意が取れていた場合、デザインで新しい提案するのが難しくなってしまう。
それに、スタイリングだけしかできないとなると、例えばメインビジュアルは一枚絵って設計で決まっていた場合、それに則ったデザインしかできないよね?それが情報設計から入っていくと、デザインの幅が広がる。
松田
デザイナーとして前の段階から入っていけば、表現の幅も広がって、考える場所も増えていくってことですね。
N
そう思うんだよね。
表面的に「いいことしてますよ」って言うのが、サステナビリティじゃない。
松田
さっき、「サステナって奥が深い」って言ってましたけど、どんなところが奥が深いと思ったんですか?
N
企業って、営利団体なので利益を上げないといけないじゃない?サステナの競合調査をやるまでは、それと社会貢献がいまいち結びつかなかった。以前はサステナビリティの知識がほとんどない状態で、企業が「何かいいことをやってます、社会貢献してますよ」を言うことかな、程度の認識。経営戦略とサステナビリティの取り組み、そのつながりがわからなかった。
そこから勉強するようになって、「経営戦略と財務情報やサステナビリティとの関係性」みたいなのが見えてきて、「財務情報は結果としての数字を取り扱うので『現在や過去』の比重が高いのに対して、サステナビリティは日本語で言うと持続可能性なので『未来』に関することの比重が高い。ということは、必然的にその企業が掲げるビジョンと密接に関わってくるのかな」とか考えるようになった。
表面的に「いいことしてますよ」っていうわけではない、というのがわかってきたというか。
松田
確かに、奥深いですね。
N
ただ、最初はデザイナーとしてというより、個人的な興味の方が強かった。今まで自分が知らなかったことが、いろいろ勉強したら奥が深かった、みたいな。
けれど、その後も自分で調べたり、案件をやったりするうちに、企業も、経営戦略や経営理念にちゃんとサステナビリティがつながっているところをどう表現するか、これを課題にしてると思うようになった。
で、そのつながりをストーリー立ててWeb上で表現するのは、Webデザイナーの大事な仕事だなと思うようになって。デザイナーとしても、奥の深さを感じるようになっていった感じ。
松田
なるほど。
サステナ案件で勉強したことが、サステナ以外でも役に立っている。
N
あと、サステナの案件って——まあ、サステナに限ったことではないけれど、伝えたい理念みたいなものがたくさんあることが多い。言いたいことがいっぱいあるのはわかるけれど、私たちは、ユーザーが読みたい情報は何かも同時に考える必要がある。
だから、企業側の言いたいことをエッセンス的に縮めて、ユーザーがほしいと思われる情報に、早く辿り着けるようにするにはどうするか考えないといけない。
松田
それって、永見さんが最初に言ってた「情報設計が肝」って視点のデザイナーの動きですよね?スタイリングをやるっていうだけじゃ、そこに参画しないと思うんですけど。
N
なるほど、そうかもね。
松田
それって、やっぱり面白いですか?
N
もちろん私ひとりで作るわけじゃなくて、プロデューサーやディレクター、あとそれこそお客さんとも相談しながらの進行になるから、大変なこともあるけど、その分やりがいも大きいかな。お客さんが言いたいことの何を重要視してトップページで訴求し、どう下層に誘導させるかとかを考えるのは、難しいけれど面白い。
まだまだ勉強不足ではあるし、デザインとは直接関係ない知識のようにも思える。でも、サステナビリティの専門的な部分を理解したうえでデザインに還元することは、表現の幅を広げることにもつながってる気がする。それは、プロジェクトをやっていて実感しているかも。
松田
そうなんですね。すごい。
N
いやいや、まだまだ全然。なんかすごそうに語っちゃったけど、今も勉強中だけどね。
ただ、こういうのってサステナ以外でも役に立ってて。
どの案件でもそうだけど、その会社のビジネス的なことをある程度理解して嚙み砕く必要があるじゃない?サステナの案件をやることで、ビジネスの基礎知識的なものが身について、それはすごく役に立っている。
以前は、お客さんからパワポで何十ページみたいな概念図がいっぱい送られてきても、何言ってるかさっぱりわからなかった(笑)。それが、お客さんの言いたいことや何を重要としているかを理解して、デザインに還元できるように少しはなったのかな。何と言うか、ビジネスとデザインを橋渡しするのが情報設計なんだなー、みたいな。
「その会社とは何か」を理解して、“ワンオフ”で作るのがうちの強みかな。
松田
あと、もう一つ聞いていいですか?Nさんから見て、うちの強みって、どういうところだと思います?
N
サステナに関しても、それぞれ企業によってサステナビリティに対するアプローチが違うし、まだ手探りの会社もいっぱいある中で、お客さんと会話をしながら一緒に作っていくことができるのは、クライマークスの強みかなって思う。
サステナに限らずだけど、みんなそれぞれ全然違う「その会社とは何か」を理解して、ワンオフで作るというか……
松田
「ワンオフ」って、どういう意味ですか?
N
あ、ごめん、「オーダーメイド」みたいな意味。私みたいにクルマ好きじゃないとわからないか。まあとにかく(笑)、お客さんのことを理解して要望に合わせてオーダーメイドみたいに作っていくのが、恐らくクライマークスなのかなって思う。
あとは、統合報告書とかPDFとか、紙で情報がいっぱいある企業は多いんだけど、それをWebサイトとしてどう表現するか、あるいは、紙ではできないWebならではの表現ってところをいろいろ提案できるところも、強みかなと思う。
松田
なるほど。情報設計とか、サステナのこととか、いろいろお話を聞けてよかったです。ありがとうございました!
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