サービスサイトに求められる役割や制作方法とは
サービスサイトとは自社が取り扱う製品・サービスを紹介するサイトで、ブランディングやマーケティングにおいて重要な役割を担います。質の高いサービスサイトを制作して成果につなげるためには、いくつかのポイントを意識することが重要です。本記事では、サービスサイトの定義やコーポレートサイトとの違いを明らかにしたうえで、サービスサイト制作の際に気をつけたい要件や成功するポイントを解説します。
サービスサイト制作について
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1.サービスサイトについて知っておきたい基礎知識
質の高いサービスサイトを制作するには、サービスサイトの意味や役割を正しく理解しておくことが欠かせません。ここではサービスサイトの性質やコーポレートサイトとの違い、重要な役割を解説します。
1-1.サービスサイトの意味
サービスサイトとは、自社が取り扱う製品・サービスを紹介するサイトです。単に製品ラインナップを掲載するのではなく、魅力的に見せるための工夫を凝らし、ブランド認知の定着やブランド価値の向上を図ります。その他、製品・サービスに関する新情報を発信したり、訪問者の悩みを解決に導く情報を提供したりすることで、会員登録や問い合わせ、購入といったコンバージョン(CV)に誘導することも目指すサイトです。
企業が保有するサイトには他にコーポレートサイトなどがあります。コーポレートサイトはいわば会社の顔として、取引先やエンドユーザー、メディア、人材など社会に広く自社の会社情報や事業情報を発信することを目的とするサイトに対して、サービスサイトは顧客または潜在顧客に対して製品・サービスに特化した情報発信をするという違いがあります。
1-2.サービスサイトの役割
サービスサイトは、顧客との関係を獲得・維持し、最終的に売上につなげるという役割を担っています。
サービスサイトは、検索エンジンやリスティング広告からのアクセスの受け皿となることで、潜在顧客との関係を構築する役割も果たします。
また、サービスサイトは既存顧客との関係を維持するうえで起点となる存在です。自社製品・サービスに興味がある顧客であれば、製品・サービス情報が正確かつ網羅的に掲載されているサービスサイトは、自分に合う製品を探したり自分の疑問・悩みを解消したりするうえで役立つ存在で、サービスサイトへの訪問をきっかけにファン化や囲い込みにつながる可能性もあるでしょう。
このようにサービスサイトは顧客関係の獲得や強化を通して、問い合わせや注文に導く役割を担う存在なのです。
2.サービスサイト制作時に意識すべき6つの要件
サービスサイトは顧客との関係強化や売上の創出につなげる役割がありますが、これらの成果を得るためにはいくつかの要件を満たす必要があります。ここではサービスサイトの成果を最大化するために意識すべき6つのポイントを紹介します。
2-1.製品・サービスの魅力が伝わるか
1つ目は最も重要な「顧客に製品・サービスの魅力が伝わるかどうか」です。
サービスサイトの最大の役割の1つは、顧客に自社製品・サービスを認知して正しくその価値を理解してもらい、その結果ブランド価値の向上や売上につなげることにあります。せっかくサービスサイトを構築しても「製品・サービスが探しにくい」「製品・サービスの魅力が分かりにくい」という状態であれば、顧客からポジティブな評価を獲得できず、サービスサイト本来の目的を果たせないでしょう。
サービスサイトは、個別の製品・サービスのキャッチコピーから魅力の明確化、画像イメージでの訴求、それらを魅力的に見せるサイトデザインにいたるまで、製品・サービスの価値を高める工夫を施す必要があります。
2-2.UI/UXが優れているか
2つ目は、「顧客にとって快適なUI/UXになっているか」です。
多くのサービスサイトでありがちな例として、「顧客ではなく企業側が推したい製品・サービスを優先したサイト構成になっている」「顧客側の行動を正確に分析できていないまま、社内での製品分類など企業側の都合にもとづいたサイト構造になっている」というケースが挙げられます。
サービスサイトは顧客向けのサイトである以上、本来は顧客のニーズ・関心や行動パターンを起点に企業側が提供するべきUX(ユーザー体験)を定義し、その体験を実現するための手段としてデザインやインタラクション、アーキテクチャといったUI(ユーザーインターフェース)に落とし込むのが理想です。
2-3.導線設計は適切か
3つ目は「導線が適切に設計されているか」です。
サービスサイトの制作時は、製品・サービスの注文や引き合いにつながるメリットを訴求しすぎるあまり、階層構造やページ間の遷移部分が疎かになってしまうことがあります。顧客心理は、「理想の製品・サービスのメリットを提示されたからすぐに注文する」という単純なものではなく、一度関連ページを参照したり、サイトを離脱してから数日後に再訪したりするなど、ユーザーの心理状況によって多種多様な行動をします。
サービスサイトでは、カスタマージャーニーを整理し、まず「顧客が目的の情報に辿り着きやすい設計」「製品・サービスの価値が認識しやすい状態」を前提としたうえで、必要に応じて関連情報を提示するなど、スムーズにCV地点に移行しやすいような導線を練る必要があります。
2-4.SEO(検索エンジン対策)は考慮されているか
4つ目は「SEO戦略が明確化されているか」です。
検索エンジンは、サービスサイトが安定的にアクセスを獲得するための有効な手段といえます。検索ボリュームの大きいキーワードで上位表示されれば、それだけで大きな流入や結果としての売上増が期待できます。検索エンジンの順位変動リスクはあるものの、リスティング広告のように流入数に応じて費用を支払う必要のないSEOは事業者にとって魅力的でしょう。
サービスサイトにSEOを施すには、コンテンツや見出し、ページ階層などを最適化する必要があります。SEOを意識しているのといないのとでは、流入数に大きな差が生じることもあるので、サービスサイトの企画段階から、「どのようなキーワードであれば流入が期待できるのか」「検索ボリュームのみならず本当にCVするキーワードは何なのか」などSEO戦略を明確化・緻密化することが重要です。
2-5.コンテンツにオリジナリティがあるか
5つ目は「サイト、コンテンツに独自性があるか」です。
BtoCやBtoB、業種・商材を問わずWebチャネルとしてのサービスサイトを制作する必要性は十分にありますが、だからといってあまり時間や労力をかけずに間に合わせのサイトを作ってしまうと、競合サイトのなかで埋もれてしまい、訪問者に納得感のない情報提供に留まってしまったり、陳腐な印象を与えてしまうことにもなりかねません。
サービスサイトを通してブランド価値を高め顧客の獲得を目指すなら、製品・サービス情報の他、独自性のある情報を用意するなど訪問者ニーズに応えることで差別化を図ることが重要です。コンテンツは他サイトに載っていない一次情報や自社独自の情報を盛り込むことでオリジナリティを担保。開発の背景など、あえて注意点なども盛り込むことで、信頼性が高く訪問者にとって価値のあるサービスサイトになります。
2-6.コンテンツは充実しているか
6つ目は「十分なコンテンツがあるか」です。
巷には会社のクチコミサイトやレビューサイトなどが数多く存在し、またSNSでは特定の会社や製品・サービスについて率直な感想が共有されています。そのようななかで企業が自らサービスサイトを運営する意義は、顧客に対して他のどの媒体よりも正確な情報を網羅的に伝えることにあるでしょう。あるいは、世に出回っている情報が少ない場合は、潜在顧客が困らないように十分な情報を提供することもサービスサイトの重要な役割といえます。
サービスサイトでは、顧客や潜在顧客が問い合わせや会員登録・購入などのアクションを起こそうか判断するにあたって、その前提となる情報を不足なく、正確に、分かりやすく伝えることが重要です。
3.サービスサイトを制作する手順
質の高いサービスサイトを制作するには、綿密なリサーチや企画の立案、それにもとづく制作工程の推進が重要です。ここではサービスサイトを制作する手順を4つに分けて解説します。
3-1.現状分析・市場調査
まずは現状の分析です。現在のビジネスモデルや顧客属性、製品・サービス群などを整理することで、抱えている強みや課題を可視化していきます。
また、社内の情報だけでなく、マーケットや競合企業など外部の状況も調査・分析することで、自社の相対的なポジションや競争上の優位性も把握しましょう。直接の競合のみならず、間接的な競合や類似サービスなども幅広くリサーチし、ストロングポイントとウィークポイントを明らかにしていくことも重要です。
サイトデザインやコンテンツ制作に踏み込む前に、しっかりと現状を分析し、深い議論を行うことで、戦略・企画の方向性がぶれにくくなります。
3-2.戦略立案・企画
次に戦略の立案です。現状分析で洗い出した課題を踏まえたうえで、自社が目指すべきゴールを設定し、達成に向けた戦略を構築していきます。
ゴールを達成するための戦略・企画を策定する段階で、サイトコンセプトやターゲットの定義を明確化し、実際に制作を見据えたサイト要件の洗い出しやコンテンツ方針、技術的な手法の選定を進めていきましょう。
3-3.デザイン・コンテンツ制作
サービスサイトの企画に沿って、サイトデザインやUI設計、コンテンツ、システムなどサイトの骨格や中身そのものの制作に取り掛かります。
サービスサイトの制作段階では、「サイトコンセプトとマッチしておりブランド価値を高めるデザイン」「訪問者の求める情報へストレスなく誘導するUI」「独自性があり有益なコンテンツ」、そしてこれらをWebサイト上で実現するためのシステム設計をバランスよく実現することが大切です。
3-4.運用・保守・改修
サービスサイトを長期的に運用するためには、運用・保守体制を確立しておくことも重要です。特に、アクセスを解析してコンテンツやUI/UXに改善点がないか分析して改善施策を恒常的に推進するコンテンツマネジメントや、システム的な課題の洗い出しや改善を担当するシステムマネジメントの役割は長期的なサービスサイトの成果創出に欠かせません。
また、サイトのメンテナンスあるいは大きな改修に備えて、現行のサイト構造やシステムを把握しやすい仕組みを残し、仕様変更履歴を記録することも重要です。
4.サービスサイト制作で成功するためのポイント
サービスサイト制作で成功するためには、サイト制作の手順を踏まえて、いくつか意識しておくべきポイントがあります。
4-1.目的を明確にする
1つ目は、サービスサイトを制作・運用する目的をはっきりさせることです。
サービスサイトは、ターゲット設定が曖昧であったり、ターゲットに伝えるための手法がミスマッチしていたりすると、製品・サービスの魅力が正しく伝わらず、思うような効果を得られない恐れがあります。「製品ライフサイクル理論」では製品は市場において導入期、成長期、成熟期、減退期の4つのプロセスを辿るとしていますが、当然ながら製品フェーズに合わせたアプローチを選ばなければなりません。
特に重要なのは、サービスサイトを通して「誰に対して、何を、どのように伝え、どのようなアクションにつなげたいのか」を、制作の早い段階で明確化することです。そのうえで、長期的な運用も見据えてガイドラインのような形で明文化しておけば、一貫性のあるサイト運営ができるでしょう。
4-2.要望に応えられる制作会社を選ぶ
2つ目は、自社の要望に応えられるサイト制作会社を選ぶことです。
制作会社を選ぶ際に注目したいポイントに技術力と課題解決力があります。質の高いサイト構築に必要な技術はコンサルティングから始まり、サイト構造・導線などUI設計力、デザイン技術、システム開発力、コンテンツ制作能力、マーケティング力などさまざまで、制作会社がこれらの力を備えているかどうか確かめる必要があります。同時に、クライアント企業の悩みや課題を見抜き、技術力やチーム力を背景に最適な解決策を提案・実行してくれるかどうかも重要な要件です。
実際のところ、特定の領域には優れている制作会社は多くても、「技術力や提案力・サポート力などあらゆる要素を併せ持っている」「きめ細かい要件定義・コンサルティングにも対応しており、マーケティング視点からの提案も可能」という制作会社は限られるのが現実といえます。ブランディングやマーケティングで結果を出すサービスサイトを制作したいなら、高い専門性や提案力のある制作会社に依頼するのがおすすめです。
4-3.費用対効果を意識する
3つ目が、費用対効果を計算することです。
サイトの製作費は制作会社によって大きく異なりますが、一概に「安いからよい」「高いから悪い」というわけではなく、投下したコストに見合った効果が期待できるかどうかが重要な判断基準だといえます。
例えば、安価な制作会社やフリーランスに依頼すればコストは抑えられますが、要望への網羅度の高い提案やWeb戦略の立案やサポートといった対応は難しい可能性があるでしょう。
一方、専門性の高い制作会社に依頼する場合、丁寧なコンサルティングやマーケティングの知見の活用、優れたUI/UX設計によってブランド価値向上や売上に貢献するサイトに仕上げることで、費用を上回る高いリターンが得られる可能性があります。
まとめ
サービスサイトとは、自社が取り扱う製品・サービスを紹介し、ブランド価値向上やCVにつなげる役割を持つサイトです。質の高いサービスサイトを制作するためには、制作目的を明らかにしたうえで現状分析をもとに戦略を固め、着実に実行できる体制を作る必要があります。
サービスサイト制作
Webマーケティングの視点で製品・サービスの訴求ポイントを抽出した上で可視化し、ブランド価値向上やCVにつなげる戦略的なサービスサイトを制作します。
Webマーケティング
Webサイト構築における内部施策やコンテンツマーケティングを軸に、SEO対策やオウンドメディア、各種MA/CXツールの導入など、あらゆるチャネルや接点を活用し、Webマーケティング戦略をトータルで支援します。