Webライティングの基本を初心者向けに解説!制作の手順や注意点
WebライティングとはWebサイトやWeb広告、検索エンジンなど、Web上に掲載する文章を書くことです。Webライティングにおいては、紙媒体に掲載する文章を書く時とは異なる点に注意する必要があります。本記事ではWebライティングの初心者に向けて、Webライティングの定義やWebライティングに求められる文章の特徴、Webライティングに欠かせないSEOの基本、Webライティングの基本的手順や注意点について解説します。
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目次
1.Webライティングの定義
Webライティングとは、簡単にいえば、Web上に掲載する文章を書くことです。具体的には、WebサイトやWeb広告、SNSなど、Web上のさまざまなコンテンツに掲載する文章コンテンツを制作することをいいます。
Webライティングにおいては、紙媒体に掲載する文章を書く場合とは違った文章の書き方が求められます。なぜなら、Web上に掲載する文章はPC・タブレット・スマートフォンといったデバイスで閲覧され、さまざまなデバイスで読みやすくするための調整が必要だからです。特に、検索エンジンで上位表示させることを目的とした「SEOライティング」の場合は、人間の読者だけでなくGoogleなどの検索エンジンにも理解されやすくするテクニックが求められます。
2.Webライティングで求められる文章の特徴
Webライティングが紙媒体など他のライティングと異なる点は主に次の3つです。
- SEOが施されている
- 記事コンセプトに沿っている
- 可読性が高い
それぞれの特徴について以下で解説します。
2-1.SEOが施されている
そもそもSEOとは「Search Engine Optimization」の略語で、「検索エンジン最適化」とも呼ばれます。SEOの主な目的は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果の上位に自社コンテンツを表示させることや、それに伴うブランディング、認知度向上やWebサイトへの集客アップです。
WebライティングではSEOライティングのスキルが求められます。そこが紙媒体など他のライティングと異なる点です。SEOライティングで頻繁に用いられるテクニックには以下のものがあります。
- 重要なキーワードを盛り込む
- テーマから外れる内容は極力カットする
- 権威性・信頼性のある参照元を選びリンクを飛ばす
- 見出しはhタグで囲む
- 箇条書きを活用する
2-2.記事コンセプトに沿っている
WebライティングはWebマーケティング戦略の施策の1つであるため、WebライティングにはWebマーケティングの知識が必要です。
Webマーケティングの基本は「流入元はどこか?」「CVポイントはどこに設定するか?」であり、作成する記事がWebマーケティング上でどのような役割を担うのかを意識する必要があります。つまり、記事ごとのコンセプトに沿った文章に仕上げなければなりません。
Webサイトにアクセスを集める方法はSEO以外にもあり、Web広告やSNS、動画など、さまざまな経路からアクセスを集めることが可能です。どの経路を優先するかなど、戦略に応じて適切な文章も変わってきます。
例えば、Web広告からのアクセス先として作られるLP(ランディングページ)では、SEOライティングよりも、商品を売り込む文章を書く「セールスライティング」のスキルが必要です。他にも、内部リンクでLPに誘導する目的のページなどでは異なるライティングスキルが求められます。
2-3.可読性が高い
Webライティングには離脱を防ぐための対策が欠かせないため、可読性の高さが重要です。Webの場合、紙媒体などとは違ってユーザーが読みにくさを感じたり、「他のサイトの方が分かりやすいかも」と思ったりすれば、すぐに検索エンジンやSNSなどを使って別のWebサイトやメディアに移動できます。自社サイトからの離脱を防ぐには、文字装飾や箇条書き、表や図・イラストなどを活用して分かりやすくすることや、結論ファースト、モバイルでの見やすさなど、可読性を高める工夫を盛り込む必要があるのです。
3.Webライティングに必要なSEOの基本
上でも述べたように、WebライティングではSEOを意識することが重要です。初心者がWebライティングをする時に押さえておくべきSEOの基本として、次の4つがあります。
- 適切なキーワードを選定する
- 良質なコンテンツを作る
- 適切なコーディングをする
- 被リンクを集める工夫をする
それぞれについて以下で紹介します。
3-1.適切なキーワードを選定する
キーワード選定とは、そのWebページにおいて、どの検索ワードで検索結果上位を狙うかを選ぶことです。「Googleキーワードプランナー」などKW分析ツールを使用するとよいでしょう。
ただし、キーワード選定の際はユーザーの検索意図をよく考えることが重要です。いきなりKW分析ツールから始めるのではなく、まずは「ユーザーがどのような目的を持って検索するのか」を起点としてキーワードを考えましょう。
また、ユーザーの検索意図は、「全体的な情報収集」「条件を絞り込んで検討」「購入・問い合わせなど行動に移す直前」といったフェーズによっても変わります。どのフェーズのユーザーをメインターゲットに設定するかについても検討したうえでキーワードを決めましょう。
3-2.良質なコンテンツを作る
Webライティングでは、ユーザーからも、検索エンジンからもよいコンテンツとして評価されるものを制作することが大切です。文章としては、冗長表現やありきたりな表現は極力カットし、有益な情報を中心に盛り込むように意識しましょう。
また、ユーザーが求める情報の網羅性を意識し、各トピックについて詳しく解説した別ページへの内部リンクを設置することも意識しておくとよいでしょう。なお、この場合、各詳細ページへの内部リンクを設置するページを「ピラーページ」、内部リンク先となるページを「クラスターページ」といいます。
3-3.適切なコーディングをする
制作したコンテンツを検索結果で上位表示させるためには、Googleガイドラインに沿ったコーディングが必須です。CMS(コンテンツ管理システム:Webサイトの制作・運用の支援ツール)としてシェア最大の「WordPress」などを使えばコードを意識しなくてもコーディングが可能とはいえ、基礎的なHTMLの知識は身につけておく必要があります。
具体的には、タイトルタグ・見出しタグ、箇条書きタグなどをWebページ内で適切に設置しなければなりません。また、構造化データもライティング内容と密接な関係があります。例えばFAQ(よくある質問とその回答)の構造化は、質問と回答を適切にライティングしなければ設定できません。
なお、より高度なHTMLコーディングを行うためには、コーダーやWebサイト制作陣との連携が必要です。
3-4.被リンクを集める工夫をする
被リンクとは外部のWebサイトから自社サイトに貼られたリンクを指します。Webライティングにおいては適切な被リンクを得ることが重要です。被リンクにはSEO効果があるだけでなく、そのリンクからのアクセスも期待できます。
被リンクを得るには、SNSなどでシェアされやすいコンテンツを作るなどの工夫が大切です。また、アンケート調査のような有益な独自情報もリンク獲得に役立ちます。くわえて、特定のテーマについてインデックス的にまとめたコンテンツ、例えば、「何かのテーマに沿ってまとめて紹介するページ」などもリンクされやすいコンテンツです。
ただし、被リンクは多ければよいというものではありません。低品質なリンクはSEO効果がないことに注意しましょう。
4.Webライティングの基本的な手順を初心者向けに解説
キーワードを選定した後のライティング手順は次の通りです。
- キーワードの検索意図をよく分析する
- 記事の構成・見出し構造を設計する
- 見出しごとに有益なコンテンツを執筆する
- 内容のチェック・校正
- 入稿・コーディング・公開
各手順について以下で解説します。
4-1.キーワードの検索意図をよく分析する
まずは、選定した検索キーワードについて、「ユーザーはなぜこの検索キーワードで検索するのか」を分析し、検索意図に対応するコンテンツが何かを考えましょう。最初はまとまっていなくても構わないので、コンテンツで扱うべきトピックを列挙していきます。この際、「検索サジェスト」や「PAA」、現状の検索結果上位記事を参考にすることが大切です。
検索サジェストとは検索エンジンにキーワードを入力した際に自動表示されるキーワードの候補で、過去に自分や他ユーザーが検索したことのあるキーワードが反映されます。また、PAAとは「People Also Ask」の略で、Google検索結果表示画面に表示される「他の人はこちらも質問」のことです。
4-2.記事の構成・見出し構造を設計する
次に、上記で考えたトピックを整理し、記事の見出しにまとめます。この段階では大見出し・中見出し・小見出しを作成し、記事全体の構成を設計しましょう。見出しにはメインのキーワードを入れることがSEOを行ううえで重要です。
また、見出しを設計する際は、見出しの大きさごとに粒度(情報量の大きさや抽象度など)を統一すると洗練された印象を与えやすく、ユーザーにとっても理解しやすくなります。例えば、h2を「食肉」とするならh3は「豚肉」「鶏肉」「牛肉」とするなどです。
くわえて、表現方法も統一する方が読みやすくなります。例えば、上記のh3を「ぶた肉の栄養価は?」「鶏肉に含まれる栄養素」「ビーフからどのような栄養を摂取できるか」とした場合、扱う内容が同じであっても表現方法がバラバラなため、ユーザーを混乱させてしまいます。「豚肉の栄養価」「鶏肉の栄養価」「牛肉の栄養価」とするなど、h3の表現方法も統一するようにしましょう。
4-3.見出しごとに有益なコンテンツを執筆する
次に、上で作成した見出しに当てはまるコンテンツを執筆します。この時、見出しと本文の内容にズレが生じないように注意してください。
表記方法は紙の場合と異なり、段落ごとのインデント(字下げ)をしないのが普通です。スマホでも読みやすい表示を意識し、適当な場所で改行して行間スペースを空けましょう。図やイラスト・表などを使って分かりやすく解説することも重要です。また、操作方法の説明や何かの作業手順など、動画の方が分かりやすいテーマの場合は動画を用意してもよいでしょう。
さらに、詳しく解説したい見出しについては、そのトピックに特化した別のページを用意して内部リンクを設置することも検討してください。
4-4.内容のチェック・校正
公開する前に、執筆内容に情報の間違いや誤字脱字などのミスがないか確認します。それから、インターネット上にすでに公開されている文章と似ていないかを確認することも重要です。
意図的ではないにせよ、既存の記事と文章が似てしまうことはあり得ます。その場合、検索エンジンに「コピーコンテンツ」とみなされて検索結果画面で表示順が下がってしまうリスクや、当該ページの運営者から盗作とみなされるリスクが出てきます。コピペ自動チェックツールなどを使用して、執筆した記事と類似の文章がインターネット上に存在しないか確認することが大切です。
4-5.入稿・コーディング・公開
Wordファイルなどで作成しているなら、それをCMSなどへ入稿し、HTMLコーディングを行う必要があります。この時、見出し設定やリンク設定、メタディスクリプション(検索結果で表示される、ページの概要を100文字程度でまとめた文章)の設定などをして、Web上に公開できる状態にします。それから最終チェックをして、リンクなどページの動作やページの表示などに問題がないことを確認し、公開しましょう。
5.初心者がWebライティングを始めるにあたっての注意点
初心者がWebライティングを始める際は次の3点に注意しましょう。
- 最新情報は常に把握しておく
- E-A-Tを意識する
- テーマごとのSEO難易度を意識する
それぞれについて以下で解説します。
5-1.最新情報は常に把握しておく
検索エンジンが検索結果の表示順位を決めるアルゴリズムは随時アップデートされており、それによって検索順位が変わることがあります。そこで、検索エンジンのアップデートに関する最新情報に精通し、必要な場合には記事の修正を行うなど、すぐに対応できるようにしておくことが大切です。
5-2.E-A-Tを意識する
WebライティングではE-A-Tを意識することが重要です。E-A-TとはGoogleが定めた検索品質評価ガイドライン基準の1つで、以下3つを指します。
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
E-A-Tについては、小手先のテクニックよりも、ユーザーが専門性・権威性・信頼性を感じられるかどうかが重要です。基本的には、「Web運営者が誰か?」「執筆者は分野に精通しているか?」がポイントとなります。例えば、自社がある分野の専門企業であり、その情報に関する専門家として認識されている場合はE-A-T評価は高くなるのが一般的です。そうでない場合は「監修者」や出典を明記するなどの方法でE-A-Tを高めましょう。
5-3.テーマごとのSEO難易度を意識する
キーワードによっては競合が強く上位表示が難しい場合もあるため、テーマごとのSEO難易度を把握しておくことが重要です。特に、YMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる「お金や生活、安全、健康、幸福」などに関するテーマのキーワードは難易度が高く、E-A-Tについても高い基準が要求されます。
6.まとめ
WebライティングにはWebマーケティングやSEOに関する基本的な知識が必要です。Webマーケティング施策上、その記事がどのような役割を果たすかを意識して作成しましょう。また、ユーザーの離脱を防ぐためには可読性の高さも重要です。検索結果で上位表示されるためには、Googleなど検索エンジンの評価基準やアルゴリズムについて最新情報に精通し、E-A-TやテーマごとのSEO難易度を意識してライティングするとよいでしょう。
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