Webマーケティング担当者の仕事内容と求められるスキルを解説
現代において、マーケティングを取り入れずにビジネスを成功させるのは困難です。さまざまな情報やサービスがWebで提供される昨今では、マーケティング手法の1つであるWebマーケティングが特に注目されています。
本記事ではWebマーケティングの重要性をご紹介しつつ、Webマーケティングの具体的な仕事内容や代表的な施策、担当者に求められるスキル、勉強方法などについて解説します。
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目次
1.Webマーケティングの意味と重要性
Webマーケティングとは、WebサイトやWeb上のサービスを活用してマーケティング活動を行うことです。
マーケティングの手法は、時代の流れとともに常に変化や進化を続けています。多くの人がWebで情報を得たり買い物をしたりする現代では、BtoB、BtoCといったビジネスモデルを問わず、Webマーケティングの重要性が高まっているのはいうまでもありません。
昨今では、さまざまな手法を駆使してWebマーケティングで成果を出す企業が増えています。こういった状況でWebマーケティングを実行していくには、担当者が高いスキルを身につけなくてはなりません。また、Web制作や運用を外注する場合でも、社内の担当者にWebマーケティングのスキルがあれば、プロジェクトを効率的に進めやすくなります。
Webマーケティングについては、以下の記事も合わせてご覧ください。
Webマーケティングとは?施策やメリット、成功のポイント
2.Webマーケティングの具体的な仕事内容
Webマーケティングの仕事内容は多岐にわたります。ここでは、Webマーケティングでは、どのような仕事をして何を実現していくのかを解説します。
2-1.Webによる集客
Webを通じての集客は、Webマーケティングにおいて最も基本的な手段だといえるでしょう。自社Webサイトへのアクセスを集めたり、自社の商品・サービスの認知度を高めたりと、ビジネスの形態に応じた集客が可能です。
Webでの集客では、後述するようにオウンドメディアやWeb広告、SNSなど、さまざまな施策を駆使します。Webマーケティングの担当者には、これらの施策の特徴を把握しつつどのように組み合わせるのかを計画し、適切に運用することが求められます。
2-2.コンバージョン施策の実行
ビジネスは集客さえすれば成功するというものではありません。利益を上げていくには、集客したユーザーをコンバージョンにつなげるための施策が必須です。
Webマーケティングにおけるコンバージョンとは、成果のことです。コンバージョンには「商品の購入」や「サービスの申し込み」といった利益に直結するアクションのほか、「資料請求」や「問い合わせ」など、将来的に利益を生み出す可能性があるアクションも含まれます。
集客した見込み顧客の興味や関心を育成して見込み度を高め、コンバージョンに導くことは、購入や契約といったビジネスにおける成果へとつながります。ユーザーの見込み度を高めて受注につなげていくプロセスは、「リードナーチャリング」と呼ばれるWebマーケティングの重要な活動です。
2-3.リピート施策の推進
すでに商品・サービスを購入したことのあるユーザーに対し、リピート購入につなげる施策を実行することも重要です。一例として次のような施策が挙げられます。
- メルマガ配信
- LINE配信
- 郵送DMの発送
リピート購入促進には、こういった手段を駆使して役立つ情報やお得なクーポンなどを定期的に届け、ユーザーにアピールし続けることが重要です。
Web上で行うメールやLINEでの発信は、印刷代や郵送代がかかるDMよりも低コストなのがメリットです。大人数に向けて一度に発信できる便利なツールを活用すれば、手間もかかりません。
一般的に、既存顧客にリピートしてもらうためのコストは、新規顧客の獲得コストの5分の1程度といわれています。リピート施策の推進は、売上アップのために欠かせない重要な活動だといえるでしょう。
2-4.アクセス解析
効果の検証や課題発見のために、Webサイトのアクセス数や広告のクリック率などを解析することも重要な仕事です。
集客に成功しユーザーをWebサイトに呼び込んだとしても、隅から隅まで見てもらえるとは限りません。多くの人は「分かりにくい」「デザインが好みでない」「機能が不十分」といった理由で簡単に離脱してしまいます。
コンバージョンを獲得するには、ユーザーの離脱を防ぎゴールまで導かなくてはなりません。アクセス解析によってユーザーが離脱しやすいページを知り、改善や修正を施すことは、特に重要だといえるでしょう。
3.Webマーケティングで扱う施策の種類
Webマーケティングでは、Web上で利用できるさまざまなシステムやサービスを利用した施策を実行します。ここではWebマーケティングで取り扱う施策について解説します。
3-1.オウンドメディアの運用
オウンドメディアとは企業自身が保有しているメディア全般のことです。一般的にはWebメディアを指しますが、広い意味ではパンフレットや広報誌などの紙媒体も含みます。
オウンドメディアは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンからのアクセスを集めるために重要なものです。掲載内容に制約がなく、自由にコンテンツを組み立てられるのが特徴で、ユーザーが「知りたい」「役に立つ」「おもしろい」と思うコンテンツを発信することで認知度向上や集客に役立ちます。
ただし、検索エンジンの検索結果画面で上位に表示されるためには、SEOに関する知識が必須です。SEOに関しては後段で詳しく解説します。
3-2.Web広告の出稿
Web広告とはWeb上に掲載される広告全般のことで、以下をはじめさまざまな種類があります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- 動画広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索結果ページに掲載されるテキスト広告のことです。ユーザーが入力した検索ワードに応じた広告が表示される仕組みで、どのキーワードに対して広告を表示させるかという「キーワード選定」がカギとなります。
ディスプレイ広告とはWebサイトやスマホアプリの広告スペースに表示される広告です。静止画が使用されることが多く、伝えたいことがひと目で分かるように表現する必要があります。
動画広告とは動画を用いた広告全般のことです。動画コンテンツの前後や合間に表示されるインストリーム広告や、広告スペースに表示させるインバナー広告などがあります。テキストや静止画よりも多くのことを伝えられるのが特徴ですが、スキップされて最後まで見てもらえないこともあるため、冒頭で惹きつける工夫が必要です。
Webマーケティングの担当者には、広告の種類ごとに効果の出るクリエイティブを企画・制作するスキルが求められます。Webマーケティングの必須スキルに関して詳しくはのちほどご紹介します。
3-3.SNSアカウントの運用
TwitterやInstagram、LINEなどのSNSに企業の公式アカウントを開設し、長期的に運用していくことも、Webマーケティングにおける重要な施策の1つです。
手軽に投稿できるSNSはリアルタイム性が高いのが特徴で、情報の蓄積に向いているオウンドメディアとは異なるメリットがあります。また、投稿が拡散されれば認知度アップや集客にもつながり、ユーザーとの双方向のコミュニケーションも可能です。ただし炎上によってイメージダウンにつながるリスクもあるため、適切に運用するスキルが求められます。
3-4.メルマガ配信
メルマガは、見込み顧客や購入履歴のある顧客と定期的に接点を持つために重要な施策です。多くの場合、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどの自動化可能なシステムを使って配信されます。
ほとんどのMAツールは、顧客の属性や興味・関心に合わせて異なる内容のメールを配信する「セグメントメール」を配信する機能を備えています。これにより、顧客に合わせた効率的なメール配信が可能です。
Webマーケティングの担当者は、顧客セグメントごとに効果の出るメール内容を企画し、MAツールを操作して適切に配信されるよう運用していきます。
4.Webマーケティングの担当者に必要なスキル
Webマーケティングの仕事をこなすために必要なスキルについて解説します。
4-1.マーケティング全般の基礎知識
Webマーケティングがマーケティング手法の1つである以上、すべての基礎となるマーケティング全般の知識は欠かせません。専門用語や関連用語に関する知識はもちろんのこと、最新のマーケティング手法やフレームワークについても把握している必要があります。
加えて業務をスムーズにこなすための基礎的なPCスキル、クライアントやチームメンバーに提案をするためのプレゼンテーションスキル、業務全体を管理するマネジメントスキルなども必要です。
4-2.SEOのスキル
SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果画面で上位に表示させるための施策です。
自社のページを上位に表示してもらうには、ユーザーのためになり、なおかつ検索エンジンにも高く評価されるコンテンツを用意する必要があります。そのためには有益な情報を盛り込みつつ、SEOのルールに沿った文章を作成するWebライティングのスキルが求められます。
Webライティングについては、以下の記事もご覧ください。
Webライティングの基本を初心者向けに解説!制作の手順や注意点
4-3.広告運用のスキル
Web上には、リスティング広告やディスプレイ広告をはじめさまざまな種類の広告を出すことができます。
Web広告は新聞広告や電車の中吊り広告などとは違い、出せばそれで終わりというものではありません。効果を測定し、思うような効果を得られなければ改善していく必要があります。そのためWebマーケティングの担当者には、ターゲットや商品・サービスごとに広告を使い分け、適切に運用するスキルが必要です。
加えてターゲットに届く質の高い広告クリエイティブの知識や、適切なキーワードの選定、クリック単価の設定といったWeb広告ならではの運用のスキルも求められます。
4-4.データ分析のスキル
マーケティング担当者にとって欠かせないのが、データ分析のスキルです。
施策によってどの程度の効果が出たのかを知り、問題点を改善していくには、データ分析が欠かせません。Webサイトのアクセス解析をはじめ、広告のインプレッション数やクリック率の調査、より効果的なクリエイティブを知るためのA/Bテストの効果測定など、データ分析の業務は多岐にわたります。
計測された数値を正しく分析するには、Googleアナリティクスやサーチコンソールなど、基本的な分析ツールを使いこなせなくてはなりません。さらに市場の動向や顧客データの分析も必要です。
4-5.Webサイトについての基本的な技術スキル
Webサイトでどういった技術が使われているのかを知っておくことも重要です。エンジニアレベルの専門的な知識までは必要ありませんが、Webサイト構築に関する基本的な技術知識を持つことで、あらゆる業務をスムーズに遂行できるようになります。一例を挙げると、CMSが使えることなどが、必要になってくる場面もあるでしょう。
また、HTMLやCSSなどWebの基本となる言語についても、ある程度知っておくと役に立ちます。Webマーケティングでは、技術的に実現不可能な施策は実行できません。適切な施策を計画し実行するためにも、どのようなことが実現可能か知っておくことが重要です。
5.Webマーケティング未経験者・初心者が必要なスキルを身につける方法
これからWebマーケティングを担当する人や経験が浅い初心者には「何から勉強すればいいのか分からない」といった悩みがつきものです。ここでは、1からWebマーケティングのスキルを身につける方法について解説します。
5-1.書籍や学習サイトを利用する
今すぐに取り組める方法が、書籍やWebサイトなどを使った独学です。書籍であれば、マーケティングの3大巨匠と呼ばれるフィリップ・コトラー、デービッド・アーカー、ドン・シュルツの著作がかなり以前から有名です。ただ、いきなり専門書を読み込むのはハードルが高いと感じるのであれば、分かりやすく解説されている初心者向けの本から始めるのも手です。挫折しないためには、自分のスキルレベルに合った書籍を選ぶことが大切です。
また、「Udemy」などの学習サイトを使う方法もあります。Udemyは、21万3,000以上ものコースのなかから好きな講座を購入できるオンラインの動画学習プラットフォームです。Webマーケティングに関するコースも、幅広いレベルのものが多数用意されています。
5-2.実際に運用して学ぶ
どのようなジャンルでも、実践に勝る学習はないといいます。「ブログを立ち上げてSEOを実践する」「ネットショップを開きWeb広告を運用してみる」など、実際に手を動かして学ぶのもおすすめです。
実践はハードルが高いというイメージを抱きがちですが、ブログやネットショップは手軽かつ少ない初期投資で始める方法もあります。運用中に発生した問題を解決したり、成功体験を重ねたりすることで、大幅なスキルアップにつながることはいうまでもありません。実践してみることで自分自身に不足しているスキルが分かれば、重点的に学ぶこともできます。
5-3.コンサルタント・メンターに相談する
スキルを身につけるにあたって、経験豊富な先生やお手本を見つけることもよい方法です。コンサル会社やフリーランスで活動するプロに依頼し、専門家と一緒にプロジェクトを進めれば、Webマーケティングではどのようなことが求められるかを客観的に見ながらプロのノウハウを学べます。
例えばクライアントという立場でWebマーケターと関われば、クライアントがWebマーケターに求めることを肌で感じることができるでしょう。
6.まとめ
Webマーケティングの仕事内容は、集客やコンバージョンの推進、リピーターの獲得など多岐にわたります。Webマーケターには、マーケティングに関する基礎知識や分析力はもちろんのこと、Webに関する技術的な知識や必須ツールを使いこなすスキルなどが必要です。また、Web業界のトレンドや技術は日進月歩であり、常に新しい情報を仕入れ続けることも重要だといえるでしょう。Webマーケティング業務に携わるのであれば、知識やスキルを多角的かつ継続的に学ぶことが求められます。
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