Webマーケティングで重要な意味を持つSEOとは?具体的な対策を解説
SEOとは、Webサイトにより多くのアクセスを集めるための重要な施策の1つです。Webマーケティングを成功させるには、自社のWebサイトにより多くのユーザーを集める工夫が必要なのはいうまでもありませんが、SEOはその主な手段という位置付けで、さまざまな施策があります。
本記事では、Webマーケティング活動におけるSEOの重要性とSEOがどのような役割を果たすのか、さらにSEO以外のWebマーケティング施策とどういった関連性があるのかについて解説します。
Webマーケティング施策について
クライマークスのソリューションを見る
1.SEOとは何か
SEOとは、「Google」「Bing」をはじめとする検索エンジンに「価値あるWebサイトだ」と評価してもらい、検索結果ページで自社のWebページを上位に表示させるための施策のことです。「Search Engine Optimization」の頭文字を取った略称で、日本語では「検索エンジン最適化」と表記されます。
検索結果ページには一般的に、「広告」と「純粋な検索結果」の2種類が表示されます。広告以外の純粋な検索結果は「オーガニック検索(自然検索)」と呼ばれ、ここで上位の表示を目指すためには、SEOが必須です。
上位に食い込むためには、競合するWebサイトよりも高評価を得る必要がありますが、検索エンジンがどのようなアルゴリズムで検索結果の順位を決めているかは公表されていません。アルゴリズムの変更やアップデートも日々行われるため、プラス評価となる要素を全て把握して対策することは困難です。
2.SEOの重要度
大前提として、検索エンジンで情報を調べるユーザーは検索結果で上位に表示されるページから閲覧していくことが多く、順位が高いほど多くのアクセスが見込めます。認知度アップや集客を目的としてユーザーを自社のWebサイトに呼び込みたい場合、SEOの重要度は高いといえるでしょう。
また、Web上に広告を出すのには料金がかかりますが、オーガニック検索で上位に表示されること自体に費用はかかりません。検索結果ページで上位に居続けることで、安定的なアクセスを集めることも可能です。
その一方で、検索順位表示が下位になってしまい、他の集客チャネルを確保していなければ、どれだけコンテンツが優れていてもユーザーに見てもらえません。Webマーケティングを行う際は、SEOがいかに重要かを認識しておく必要があります。
3.WebマーケティングにおけるSEOの位置付け
SEOは、世界中の人が使っている検索エンジンをビジネスに役立てる有効な手段だともいえます。SEOがWebマーケティングにおいてどのように活用されているのかを解説します。
3-1.SEOは潜在顧客や見込み顧客の獲得に有効
WebマーケティングにおいてSEOは、特定のキーワードや文章で検索している人、つまり「何らかの興味や関心、疑問、知りたいことがある人」を呼び込むための施策です。例えば「スマホ 修理」というキーワードで検索している人は、スマホの修理方法や修理を依頼できるサービスを探していると推測できます。
そのため目的意識が明確だったり、熱量(エンゲージメント)が高かったりするケースも多く、購入や問い合わせにつながる確率も高いといえるでしょう。
「ユーザーは何を求めているのか」というニーズを把握し、Web上で役立つ情報を提供すれば、ユーザーに「よさそうなサービスなので覚えておこう」「問い合わせてみよう」といった考えが生まれます。このようにSEOは、潜在顧客や見込み顧客の獲得に有効な方法です。
3-2.他の施策との連携で相乗効果が生まれる
SNSやWeb広告など他のマーケティング施策を経由した検索を逃がさないためにも、SEOは重要です。
例えば「渋谷駅から徒歩5分の◯◯レジデンス」というマンションの広告を見たユーザーが、マンション名でなく「渋谷駅 徒歩5分 マンション」などといったキーワードで検索をした時、類似サービスや競合する企業にSEOで負けていると、そちらに潜在顧客を取られてしまう可能性もあります。
このようにSEOと他のWebマーケティング施策との関連性は深く、Webマーケティングを行う以上、SEOは避けて通れません。SEO以外のWebマーケティング施策については後ほど詳しく解説します。
3-3.Web上での集客に不可欠
Web上での集客では、コンテンツマーケティングという手法が業種を問わず広く使われています。
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって役立つ情報や楽しめるコンテンツなどを提供し、集客や問い合わせにつなげるマーケティング手法です。
SEOとコンテンツマーケティングは同一視されがちです。しかしコンテンツマーケティングは価値あるコンテンツを活用して集客や購買などにつなげることで、SEOは検索結果で上位を狙うことであり、目的はやや異なります。
とはいえ、コンテンツマーケティングが担う「集客」の部分においては、SEOが必要不可欠であり、両者には密接な関係があるといえるでしょう。
SEOとコンテンツマーケティングは、同時に行うことでより高い効果が期待できます。
4.SEOの種類
検索エンジンに高く評価してもらうための方法は1つではありません。ここでは具体的に、SEOにはどのような対策が必要なのかを解説します。
4-1.内部SEO
内部SEOの基本は、ユーザーの悩み・ニーズをもとに良質なコンテンツを作成することです。具体的には、ペルソナを設定し、ゴールであるCVポイントを決定し、訪問からCVに至るまでのカスタマージャーニーを意識したコンテンツ設計を行います。
例えば、「Web制作方法について漠然とした疑問を抱えているユーザーに対して、Web制作方法の選択肢やそれぞれのメリット・注意点や自社に合う選択肢の選び方を網羅的に解説したうえで、おすすめの選択肢とその魅力まで紹介して興味関心を高めたうえで問い合わせ・資料請求につなげる」というジャーニーマップが考えられます。
また、内部SEOではクローラビリティやユーザービリティを意識し、「階層や構造を整理する」「リンク切れをなくす」「パンくずリストやサイトマップを設置する」といった基本的なポイントも欠かせません。
4-2. 外部対策
外部対策では、外部からの被リンクを増やすことが大切です。外部からのリンクが増えると、検索エンジンから「質の高いコンテンツ」と認識されます。
被リンクを増やすためには、「SNSでシェアしてもらう」「外部へ寄稿する」「関連サービスで相互リンクする」などの方法があります。ただし、無効となる被リンクやペナルティ対象となる被リンク(購入した被リンクなど)もありますので、注意が必要です。
4-3.テクニカルSEO
テクニカルSEOは、Webサイトのシステム的なパフォーマンスを改善させることで、クローラビリティ向上やWebサイトとしての評価向上を狙うSEO施策です。特に重視されているのが、ページの表示速度とクローラビリティです。
ページの表示速度を改善するには、サーバーの強化、不要コンテンツの整理、レンダリング最適化などが有効な対策となります。一方、クローラビリティを向上させるには、サイト構造の整理、内部リンク最適化、不要なURLパラメータの削除、モバイルフレンドリー化が有効とされています。
Googleは、Webサイト開発者向けに「PageSpeed Insights」というパフォーマンス測定ツールを無料提供しており、自社サイトの状況を分析することができます。テクニカルSEOに取り組む際はこういったツールを活用するのも1つの手です。
5.SEOを行う場合の注意点
SEOを成功させて結果を出すためには、SEOの特徴を理解しておく必要があります。SEOに着手する際に、あらかじめ知っておきたい注意点を解説します。
5-1.施策を継続させる必要がある
SEOは実施してすぐに結果が出るものではなく、効果が出始めるまでに時間がかかります。多くの企業がSEOに取り組んでいる現状では、Webサイトを公開してすぐに上位を狙うのは難しいといわざるを得ません。特に競争の激しいジャンルの場合は、少なくとも半年、1年と更新を続け、上位に表示されないページはコンテンツを見直して適宜リライトしていく必要があります。
コンテンツは質だけでなく量も重要です。SEOを成功させるには、時間をかけてどちらも高めていくことが求められます。さらに、施策を継続していくための体制づくりも欠かせません。
5-2.マイナス評価によりペナルティが課せられることがある
Web上に公開したコンテンツが検索エンジンに「良い」と評価されれば、検索結果画面で上位に表示されます。しかし「悪い」と評価されれば順位が著しく下がったり、検索結果に表示されなかったりする可能性があるため、どのような行為がペナルティに該当するかを知っておくことが重要です。
マイナス評価を受ける代表的な例が、すでに公開されている他Webページと内容が同一、もしくは酷似している「コピーコンテンツ」です。また、似たような内容のページを何ページも作成する「重複コンテンツ」もマイナス評価につながります。
さらに、低品質なWebページからの悪質な被リンクの放置もペナルティとなります。このようなリンクはスパムリンクとも呼ばれ、場合によっては評価を下げるために悪意をもって貼られることもあるため、注意が必要です。
5-3.ジャンルによっては評価が厳しくなる
コンテンツのジャンルによっては、SEOの評価が厳しくなります。代表的なものが、Googleの「検索品質評価ガイドライン」に書かれている「YMYL」です。
YMYLとは「Your Money or Your Life」の頭文字を取ったもので、お金や人生に関すること全般を指します。一例は次の通りです。
- ニュース
- 金融
- 医療や健康
- 法律
- 政府や公共に関すること
YMYLに該当するジャンルは、誤った情報が出回ってしまうと生活や人生に大きな影響を与えかねません。厳しいガイドラインをクリアするには、高い正確性や信頼性が求められます。
Web上のコンテンツでYMYLを扱う場合は、YMYLとセットで語られるE-A-TやE-E-A-T(ウェブサイトの評価基準)についても深く知っておかなくてはならず、専門的な知識や対策が必要です。
6.SEO以外のWebマーケティング施策
WebサイトのアクセスアップやWeb上での集客に有効な方法は、SEOだけではありません。集客や認知度向上に活用できるSEO以外のWebマーケティング施策について解説します。
6-1.Web広告
Web上に表示するWeb広告には、検索結果画面に表示される「リスティング広告」、Web上やアプリ上に表示される広告全般を指す「ディスプレイ広告」、動画の前後や間に挿入される「動画広告」など、さまざまな種類があります。
このうちリスティング広告はテキストタイプの広告で、検索しているユーザーに違和感を与えにくく、検索結果画面ではオーガニック検索で1位のWebサイトよりも上に表示されます。
Web広告は、所定の手続きを完了させればすぐに表示されるのがSEOと大きく異なる点です。すぐに見込み顧客を獲得したい時には便利でしょう。
しかし効果を出すにはそれなりに費用をかける必要があり、さらに出稿を取りやめれば効果はゼロになってしまいます。
6-2.SNS
「Twitter」や「Instagram」、「LINE」などのSNSにアカウントを開設し、情報を投稿して見込み顧客を獲得する方法です。
SNSは基本的に無料で利用できますが、適切に運用するにはスキルとノウハウが必要です。さらにSNSごとに有効な運用方法が異なり、一歩間違えば炎上することもあるため、運用担当者にはネットリテラシーも求められます。
SNS運用では、次のような方法で潜在顧客や見込み顧客の獲得を狙えます。
- 投稿やプロフィールから公式サイトに導く
- 商品・サービスの認知度を高めサイテーション(引用)を獲得する
- 著名な媒体に取り上げてもらう
また、ユーザーと双方向のコミュニケーションが可能なことから、見込み顧客の育成にも活用可能です。
SNSへの投稿はSEOと直接的な関連性はないものの、「検索エンジン」と「SNS」という別のチャネルであるからこそ、お互いに補完し合ってアクセスアップに貢献できるといえるでしょう。
6-3.メールマーケティング
メールマーケティングとは、ユーザーのメールアドレスにメルマガやダイレクトメールなどを送る方法です。
Webマーケティングにおいては、ナーチャリングやリピート購入を促す施策としてメルマガが広く使われています。すでに購入歴のあるユーザーに対してお得なセールやキャンペーン、新商品の案内などを送り、再度購入をうながす方法が一般的です。
さらにSEOによって訪問したユーザーとつながりを生むために、資料請求などを通じてメールアドレスを提供してもらい、メールマーケティングと組み合わせるという方法もあります。
6-4.ウェビナー
ウェビナーとは、Webを利用したセミナーのことです。
時間を割いてウェビナーに参加する人は、すでにある程度の興味・関心を持っていると推測できます。SEOによって獲得した見込み顧客にウェビナーを紹介することでさらに見込み度を高め、よりコンバージョン(成果)につなげやすくするのに役立ちます。
さらにウェビナーは、録画編集すれば動画コンテンツにも転用可能です。これによりYouTubeやGoogleの動画検索を経由した集客にも貢献します。
7.まとめ
SEOは、検索エンジン経由でWebサイトにアクセスを集めるために非常に重要なものです。Webサイトを公開・更新する時は、同時にSEOにどのように取り組んでいくかを考える必要があります。検索結果画面で上位を狙いつつ、SEO以外のWebマーケティング施策との補完や相乗効果も視野に入れてビジネスの成果へと結び付けるには、きめ細やかな対策が求められます。さらに簡単に結果が出ないことをふまえ、長期にわたって対策を行える体制を整えることも欠かせません。
Webマーケティング
Webサイト構築における内部施策やコンテンツマーケティングを軸に、SEO対策やオウンドメディア、各種MA/CXツールの導入など、あらゆるチャネルや接点を活用し、Webマーケティング戦略をトータルで支援します。