【工程別・サイト規模別】ホームページ制作期間の目安と短縮のコツ
ホームページ制作会社に依頼する場合、完成までの期間はケースバイケースです。予想以上に長くかかる場合もあるため、スケジュールに余裕を持って計画する必要があります。本記事では、ホームページ制作の流れを紹介するとともに、各工程やサイト規模ごとの制作期間の目安や制作期間を短縮するコツについて解説します。これからホームページを制作する担当者の方は、ぜひ、参考にしてください。
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目次
1.【フェーズ・工程】ホームページ制作にかかる期間の目安
ホームページ制作の工程は発注フェーズと制作フェーズの2つに分かれます。それぞれのフェーズにかかる期間の目安について以下で解説します。
1-1.発注フェーズ
ホームページ制作会社に発注するまでには、主に、以下の工程があります。発注フェーズ全体の所要期間は、一般的に、1~2カ月程度が目安です。
- 与件の整理(RFP作成)
- ホームページ制作会社の選定
- 制作会社へ見積もりを依頼する準備
- 制作会社との面談・ヒアリング
- 制作会社が出した見積もり提案書を社内で検討
- >契約
発注フェーズの各工程について、より詳しく見ていきましょう。
まずは自社内で意見を整理し、RFPにまとめることが重要です。RFPとは、Request for Proposalの略で、制作会社に提案を依頼する際に、要望、条件、提案書に盛り込んでもらいたい内容などを記載した提案依頼資料のことです。
詳しくはこちらのコラムでも紹介していますので、参考にしてください。
ホームページの制作目的や要望決めたうえで、目的や必要な条件に合った制作会社を探し、数社ほど候補をピックアップします。
それから、RFPなどの提案依頼書をもとに、制作会社へのコンタクトを開始します。面談で制作会社の具体的なヒアリングに答えてから見積りや提案を待つ期間は、規模にもよりますが、およそ2~4週間です。
制作会社から提案を受け取った後は内容を検討し、社内の稟議にかけたり、必要に応じて要件を調整したりしながら、正式な依頼を行います。この工程にかかる期間は1〜3週間程度が多いでしょう。
1-2.制作フェーズ
制作フェーズには、主に、以下の工程があります。制作フェーズ全体の所要期間は3〜4ヶ月程度が相場です。ただし、ホームページの規模や依頼内容によって、大きく変動します。
- 要件定義
- 設計・UI/UX
- コンテンツ・デザイン制作
- システム開発・実装
ホームページの要件定義では、まず、「誰に対して訴えるのか」「どのような価値を提供するのか」「どのようなアクションに結びつけるのか」を整理します。そのうえで、カスタマージャーニーマップやユーザーシナリオを設計し、制作工程の土台とします。
さらに、要件定義書に基づいて具体的な設計・UI/UXに着手するまでに約2週間〜1ヶ月かかります。
コンテンツやデザイン制作とシステム開発は特に時間がかかりやすい工程です。制作会社だけでなく、依頼した側にもチェック作業や調整依頼といった手数がかかります。これらの工程は、小規模サイトであれば1~2ヶ月程度で終わる場合もありますが、大規模なホームページの場合は数ヶ月にまたがることも珍しくありません。
ホームページが完成したら、全体のデザインや動作のテストを行います。不具合が見つかった場合は修正する時間が必要です。本番環境でもテストを行ったうえで問題なければ、いよいよリリースとなります。
2.【規模別】ホームページ制作にかかる期間の目安
ホームページの規模によって制作期間も異なります。大企業のコーポレートサイトなど大規模なホームページでは制作に半年以上かかることも珍しくありませんが、LP(ランディングページ)などページ数が少ない場合は2カ月程度で完成することもあるのが普通です。ここでは、ホームページの規模や種類ごとに制作期間の目安や時間がかかりやすい工程について解説します。
2-1.小規模(LPのみ/20ページ程度)のホームページの制作期間
1~20ページ程度の小規模なホームページの場合、制作期間の目安は2~3ヶ月程度です。この規模のホームページ例としては、広告を出稿するLP(1ページ)やキャンペーンサイト(約3ページ~)、シンプルな採用サイト(約15ページ~)などがあります。
小規模なホームページであれば、要件定義やデザイン制作、テストに要する期間は比較的、短期間で可能です。一方、制作会社との打ち合わせや実装については、ホームページの規模が小さい場合でもそれなりの日数を必要とします。
2-2.中規模(30〜100ページ程度)のホームページの制作期間
30~100ページ程度の中規模なホームページの場合、目安として、制作に6カ月程度かかります。
中小企業のコーポレートサイトや採用サイトなどは一般的に30ページ程度です。メーカーなど取り扱う製品の掲載ページがたくさん必要な場合や、多言語対応するコーポレートサイトの場合などは100ページ以上になります。
ページ数が増えるほど、要件定義やデザイン制作、テストに要する日数も増えます。
進捗チェックや資料作成、制作会社との打ち合わせなども発生するため、それらも加味してスケジュールを立てましょう。
また、ホームページの規模が大きくなるほど閲覧者の環境も多様化するため、複数デバイスに合わせて適切な表示を行うデザイン設計も必要です。レスポンシブ対応のWebデザインコーディングには別途日数がかかります。
2-3.大規模(100ページ以上)のホームページの制作期間
100ページを超える大規模ホームページになると、さらに制作期間が必要です。ページ数や盛り込む機能などにもよりますが、制作期間全体の目安として、少なくとも8~12カ月は見ておくほうがよいでしょう。
数百ページにわたる大規模ホームページの例としては、部署数の多い大企業のコーポレートサイト、学部・学科が細分化されている大学・専門学校などのホームページなどがあります。
大規模ホームページの場合、各工程にかかる期間もページ数やシステム機能の数・内容などによりケースバイケースです。大規模ホームページとなると、ホームページ構造やシステムなども複雑化するため、より緻密に要件定義や設計・デザインを行うことになります。さらに、コンテンツ制作やシステム開発、テストの工数も増えるため、慎重なスケジュール設定・管理が必要です。制作会社とのすり合わせやミーティングの機会も多く発生することになり、円滑に制作するための社内体制作りが欠かせません。予め、週例・月例などのミーティング日時やコミュニケーションツールを決めることも効率化に繋がります。
3.ホームページの制作期間を短縮するために依頼者側ができること
上記の通り、ホームページ制作には各工程で日数がかかります。しかし、依頼者側のやり方によっては制作期間を短縮できるケースもあるのです。たとえば、「早い段階ですり合わせを行う」「返事やチェックの期日を決める」「責任・役割分担をはっきりさせる」などで制作の効率化を図れます。それぞれについて以下で解説します。
3-1.早い段階ですり合わせを行う
ホームページ制作においては、要件定義やサイト設計など制作の初期段階に予想以上の日数がかかるケースが少なくありません。特に、社内担当者がホームページ制作に初めて従事する場合などは知識・経験不足のため、余計に時間がかかってしまう場合もあります。「サイト概要」についてまとめる程度なら何とかできるとしても、機能要件や非機能要件を言語化して伝えることはなかなか難しいのではないでしょうか。
機能要件とは「ホームページで何ができるようにしてほしいのか」です。非機能要件とは「機能以外にホームページで必要な条件」、すなわち、システムの性能や保守・運用、セキュリティに関する希望を意味します。Webサイトに関する知識や経験がないと、機能要件にしても非機能要件にしても、具体的なイメージを描くことは容易ではありません。
そこで、1人で抱え込まず、ホームページ制作プロジェクトの早い段階で経験豊富なプロに相談することがおすすめです。そうすれば、制作会社のヒアリングにもじっくりと取り組めるため、あらかじめ要件を整理しておくことができます。それが、ホームページ制作全体のスケジュール効率化につながるのです。
3-2. 納品基準を確定・共有しておく
ホームページの制作期間を短縮するには、要件定義や設計といった早めのフェーズで、納品要件や納品基準を定めておくこともポイントです。
納品要件とは納品物の要素や中身を指し、それがあることで「発注した内容の通りのものが完成しているか」「個別の要素に漏れがなく、全て揃っているか」をというチェックがスムーズになります。納品基準とは、納品物に求めるクオリティ水準を指し、「納品物があらかじめ決められた水準を満たしており、当社として公開できるレベルに仕上がっているか」を確認する時に役立つものです。
納品要件や納品基準は、制作会社から成果物が納品される度に社内で議論したり確認したりするとチェックが停滞する原因となりますが、あらかじめ決めておくことで確認作業がスムーズとなり、納期を短縮することにつながります。
また、納品要件や納品基準といったレギュレーションは事前に社内ですり合わせをしたうえで、共有しておくことも大切です。納品物は、担当者や上長、部門責任者などと何段階ものチェックを経て初めて決裁されることがあります。チェック時になって社内でレギュレーションを周知するのではなく、あらかじめコンセプトや納品要件を社内で共有しておくこともポイントです。
3-3.責任・役割分担をはっきりさせる
ホームページ制作プロジェクトを指導する前に責任の所在や決裁、仕事の役割分担などを明確化しておくことも、制作期間のスリム化に役立ちます。社内の指揮命令系統や責任者が曖昧な状態でスタートしても、決裁や仕事の担当者決め(アサイン)がスムーズに進まず、工程が滞る原因になるためです。
制作会社がどんなに優秀でスピーディーな仕事をしてくれるとしても、社内に原因があるせいで制作期間が延びるケースはよくあります。
4.ホームページの制作期間について意識しておくべきポイント
上で紹介した以外にも、依頼者側があらかじめ知っておくことによってホームページ制作期間を短縮できるポイントが存在します。ここでは、いざ制作スタートになってからの進行がスムーズになるポイントを3つ紹介します。
4-1.品質と工数の関係を把握しておくと最適な期日を決めやすい
ホームページ制作に限らず、成果物に高い品質やオリジナリティを求める場合は工数が多くかかり、それだけ制作期間も長くなりやすいことは言うまでもありません。「質を求めるなら制作期間が長くてもやむを得ない」「スピード重視なら短期間での納品を期待できる」という認識で間違いはないでしょう。
ただし、これはあくまでも一般的な傾向で、「どのようなホームページを依頼するのか」「どの制作会社を選ぶのか」によって、必要な日数は大きく異なります。制作会社に依頼する際は、求める品質とそれに必要な工数を話し合っておくことで、双方に無理がなく、無駄のないスケジュールを立てやすくなります。
4-2.スケジュール設定・管理は制作会社との共同作業
上記の通り、ホームページ制作の期間を決めるには、制作会社と密に意見交換しながら詰める必要があります。そもそも、ホームページはそのコンセプトからコンテンツやシステムなどに至るまで千差万別であり制作会社の進め方も異なるため、ケースバイケースで決めるしかありません。
スケジュールの設定・管理は、自社だけでスケジュール設定するものでも、制作会社の提案をそのまま通せばよいものでもありません。依頼者側と制作会社がパートナーとして協力しながら進行するという意識を持っているほうがスムーズです。
4-3.制作会社選びでは優先順位の明確化が大切
ホームページ制作会社を選ぶ基準にはQCD(品質:Quality、予算:Cost、納期:Delivery)の三大要素の他、ビジュアルコンセプトの一貫性やシステム要件など、さまざまな要素があります。
全ての要素が完璧な制作会社が理想ではありますが、実際にはリソースが限られるため、最も有効にリソースを活用できるように優先順位を明確化することが現実的です。
たとえば、キャンペーン期間が迫っている場合には納期の早さを最優先するとよいでしょう。一方、ホームページ制作の目的が長期的なブランド価値向上であれば、品質や革新性を最優先として、時間と予算を投入することも必要です。
5.まとめ
ホームページ制作にかかる期間はホームページの規模(ページ数やシステム設計の有無など)によって異なります。一般的な傾向として、質や量を求めるほど期間がかかり、ホームページの中身や制作会社とのやり取りで予想以上に日数がかかる場合もあるため、早い段階で相談するようにしましょう。ホームページの制作期間を短縮するために鍵となるのが、早期のすり合わせ、納品基準の明確化、社内の体制の整理であり、制作会社と良いパートナーシップを築いて協業することが大切です。
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