【工程別・職種別】Web制作会社の仕事内容と役割・スキル
Webサイト制作をプロに依頼したいと考えながらも、「Web制作会社に依頼すると、具体的には、どのような仕事をしてもらえるのか」「Web制作会社に依頼するメリットはどこにあるのか」などがイメージできないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、Web制作会社の仕事内容や役割・スキルについて、Webサイト制作の工程別・職種ごとにくわしく解説していきます。Web制作会社への相談を検討している方は、ぜひ、参考にしてください。
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1.Web制作会社の役割・サービス
Web制作会社は、クライアントの要望に沿ったWebサイトの提案・制作をする役割を担う中で、以下のような工程でWebサイトを制作します。
- ・1.コンセプト策定・要件定義
- ・2.設計(UI/UX)
- ・3.デザイン・コンテンツ制作・システム構築
- ・4.テスト・リリース
- ・5.保守運用
テスト後に適宜修正を加えたらWebサイトのリリースを行い、その後も保守運用していきます。
このように多くの工程を経るため、Webサイト制作にはある程度の期間が必要です。その規模にもよりますが、数ヶ月で完成するケースもあれば、1年以上かけて制作するケースもあります。
また、質が高いWebサイトを制作するには、技術力やデザイン、コンテンツ制作の専門性が欠かせません。さらに、成果を出すWebサイトにするには、戦略立案能力やWebマーケティングの知見が必須です。
理想とするWebサイトの品質・予算・CV(成果)を達成するためのリソースを社内だけで賄うことが難しいケースも少なくありません。そこで、専門性を武器にコンサルティングや制作・保守といったサービスを提供する存在がWebサイト制作会社です。
2.【工程別】Web制作会社の仕事内容
Web制作会社は以下の流れでWebサイトを制作します。
- ・1.ヒアリング・リサーチ・分析
- ・2.提案・要件定義
- ・3.設計・デザイン・コンテンツ制作
- ・4.制作・テスト
- ・5.リリース・保守運用
各工程について以下で解説します。
2-1.1.ヒアリング・リサーチ・分析
ヒアリングからリサーチ・分析までの工程はWebサイトの目的やコンセプトなど全体の方向性を決定づけるために欠かせないプロセスです。
まず、クライアントと打ち合わせを行い、「どのようなWebサイトを作りたいのか」「ターゲットは誰か」「ターゲットにどのようなベネフィット(便益)を提供したいのか」をヒアリングします。
次に実施することは、ヒアリングした内容にもとづくクライアントの現状や競合、市場動向などのリサーチです。さらに、定性的・定量的な分析を行って事業課題を洗い出し、課題の解決手段として有効なWebサイトの在り方を探究します。このフェーズで戦略をより明確にするために、ユーザーリサーチやアクセスログなど各種調査を実施する場合あります。
2-2.2.提案・要件定義
どのようなWebサイトを制作するか決定し、設計・デザインや実装など制作工程へ進む上での土台を作る工程です。
上記の分析結果にもとづき、Webサイトのコンセプトやデザイン、機能、予算などあらゆるポイントにおいてどのようなWebサイトを制作すべきかをまとめ、クライアントに提案します。クライアント‐制作会社間での調整では、まず大枠を確定し、その後に個別要素を確定していく流れでWebサイトの要件を定義していきます。
Webサイトの制作工程に入った後での方針転換は困難なため、この段階でしっかりと要件定義の詳細まで決めておくことが大切です。
2-3.3.設計・デザイン・コンテンツ制作
クライアントが求めるWebサイトの目的を達成できるかどうかについて、Web制作会社の能力が問われる工程です。ここでは、プランナーやデザイナー、ライターなど、多方面のスキルを持つ人材が欠かせません。くわえて、自社の競合優位性や自社ブランディングの方向性を踏まえたデザイン・コンテンツの企画・制作ができることも重要です。
この工程では、サイト構造やワイヤーフレームといったサイトの情報設計や、動画や写真、テキストなどオリジナルコンテンツの制作などを含めた全体の概要設計・詳細設計をテーマ毎に仕様書に落としながら緻密化していきます。それらの要求仕様を踏まえた上で、全体の印象を決めるグランドデザインの確立をしていきます。サイトの配色をルール化するカラースキーム設計やデザインレギュレーションを策定することもあります。
2-4.4.制作・テスト
Webサイトのコンテンツ内容やデザイン、ユーザビリティを制作・実装していく工程です。
まず、Webサイトの内容であるコンテンツを制作します。コンテンツ制作のステップとしては、自社にあるテキストや資料など情報素材の集約から、整理。素材が足りなかったり強化していくためのインタビューなどによるテキストライティングなどが中心になります。
また、Webサイトの目的によっては、動画や写真の撮影・編集も必要です。たとえば、ブランディング強化であれば、自社の特長を訴求するイメージ写真や拠点毎での撮影、採用サイトなら社員紹介や職場風景の映像、ECサイトなら製品特徴を伝えるスチール撮影などを実施していきます。
くわえて、コンテンツ制作と並行して、サーバーやセキュリティなどインフラ整備、UI(ユーザーインターフェース)を高めるフロントエンドとそれを裏で支えるバックエンドの開発も必要です。CMS開発やカスタマイズも行い、制作したコンテンツやWebサイトに必要な機能を実装していきます。
最後に、Webサイトの各機能が正常に動作するか、マルチデバイスにおける表示・挙動は問題ないかなどの検証を行い、すべてにおいて計画通りかをテストしていきます。
2-5.5.リリース・保守運用
テスト・検証を経てWebサイトが完成した後、インターネット上にリリース(公開)します。
Webサイト公開後も多かれ少なかれ、掲載した情報の更新や新規コンテンツの追加、システムのアップデートといった保守(メンテナンス)が必要です。さらに、アクセス数やカスタマージャーニー、CVR(コンバージョン率)などのデータ解析を行い、課題解決や改善のための施策をしながら、Webサイトを運用していく必要があります。リリース後の保守運用に関する立案・実行もWeb制作会社に欠かせない重要な仕事です。
3.【職種別】Web制作会社の仕事内容
Web制作会社にはさまざまな分野のプロが揃っています。それぞれの職種のメンバーが高い専門性を発揮して制作することにより、高品質なWebサイトに仕上がるのです。各職種の役割は厳密に区別されておらず、幅広いスキルを持つスタッフが複数の職種を兼ねるケースもあります。
ここでは、Web制作会社の仕事内容について、以下の職種別に解説します。
- ・1.Webプロデューサー・Webディレクター
- ・2.Webデザイナー・UI/UXデザイナー
- ・3.エンジニア
- ・4.Webライター・編集者・コピーライター
3-1.1.Webプロデューサー・Webディレクター
Webプロデューサーは、Webサイト制作プロジェクト全体の責任者として予算や方向性を作成し、クライアントとのゴール設定、プロジェクト設計を担い、主に要件定義をリードしていく役割です。プロジェクトの特性により、WebプロデューサーとWebディレクターがその担当比重を変化させる場合もあります。
Webディレクターは、プロデューサーと協力しながら要件定義を策定し、Webサイト全体像を表すサイトマップ、ページの役割を示すディレクトリマップ、ページ毎の構成や要素を整理するワイヤーフレームなどの設計業務を担当します。クライアントとの打ち合わせや提案・Webサイトリリース後の運用を行ったり、制作スタッフを選出して指示を出したりと、社内外の関係者と連絡しながらプロジェクトを指揮し、進行させていく役割も担います。
案件規模により、プロジェクトマネージャーという役割が制作実務の総監督を担うことも多くあります。
プロジェクトマネージャーの最も重要な役割は、Webサイト制作の過程でプロジェクトのテーマやゴールを達するために、クライアントと制作チームの方向性と意思をまとめあげ、プロジェクト全体を計画通り、円滑に進めて行くことです。
3-2.2.Webデザイナー・UI/UXデザイナー
WebデザイナーとはWebサイトのデザインなどのクリエイティブ面を担う役割です。
近年はWebデザイナーに加え、情報設計とデザインのユーザー体験の向上を担う観点でUI/UXデザイナーという職域もあります。クライアントとユーザーの目的を達成するWebサイトを制作するために必須条件である「ユーザーにとって見やすく使いやすいWebデザイン」の企画・制作が主な役割です。UI/UXデザイナーは制作に先立ち、ユーザーニーズを調査してデザインを企画し、クライアントや開発チームの合意形成を行います。
Webデザイナー・UI/UXデザイナーには、ユーザー目線を最優先した訴求力の高いWebデザインを作るスキルはもちろん、社内外の人に企画意図を伝えるプレゼン能力や言語能力も必要です。また、設計意図、デザイン意図を正確に実装していくために、コーディングスキルも求められることがあります。
3-3.3.エンジニア
Webサイトのシステム開発や制作にはシステムエンジニア(SE)やマークアップエンジニアなど、さまざまなITエンジニアが関与します。ITエンジニアには、クライアントとユーザーにとって「見やすく使いやすい」かつ「盤石なWebシステム」を開発するスキルが必要です。
SEは、クライアントの要望や課題をヒアリングしたうえで、システム面での要求仕様を取りまとめ、JavaScriptやPHPなどのプログラミング言語を使用して課題を解決できるWebサイトのシステムを開発するとともに、マークアップエンジニアに設計書を渡して指示を出す役割です。
マークアップエンジニアはHTMLやCSSなどのマークアップ言語を使用してWebサイトのソースコードを作成する「コーディング」を行います。くわえて、UI/UXやSEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)などをマークアップエンジニアが担当する場合もあります。
3-4.4.Webライター・編集者・コピーライター
Webサイトの記事やコラム、コピーなど、テキストコンテンツを制作する役割です。クライアントや業界の取材を行うこともあります。ユーザーの関心を引き付けて強い印象を残すテクニックやわかりやすく伝える文章力、SEO知識、リサーチスキルなどが必要とされる職種です。
くわえて、多言語Webサイトの場合は翻訳者も必要です。翻訳者には担当す言語での読解力と文章力だけでなく、Webサイトやテキストコンテンツで取り扱うテーマへの理解・知識も求められます。
4.Web制作会社で活躍する人が持つ主なスキル
Web制作会社のスタッフは職種を問わず、以下のようなスキルが求められます。
- ・1.Webマーケティング・データ分析スキル
- ・2.コミュニケーションスキル
- ・3.クリエイティビティ
- ・4.担当分野の専門スキル
各スキルについて、以下で解説します。
4-1.Webマーケティング・データ分析スキル
クライアントが求める成果をWebサイトで実現するためには、Webマーケティングの知識およびWebサイトで蓄積したデータを分析するスキルが必要です。
Web制作会社のスタッフは、SEOの内部施策や外部施策、常に変化するユーザーニーズを満たせるコンテンツの提供といった集客ノウハウを持っています。また、Webサイトへのアクセス数やカスタマージャーニー、CVR(コンバージョンレート)といった蓄積データや市場データを分析し、課題解決のための改善を提案するスキルもWeb制作スタッフに必須です。
4-2.コミュニケーションスキル
形のないところからWebサイトを完成させていくためには、コミュニケーションスキルが求められます。クライアントの要望や課題を察して正確に把握するスキルはもちろん、明確な解決策を導き、クライアントや制作チームとの合意形成していくスキルがWeb制作スタッフには欠かせません。
また、制作チームにおいては各職種との密接な協働が必須となるため、メンバー1人ひとりの考え方や進捗を理解し、臨機応変に対応することが求められます。その際も、円滑なコミュニケーションによるチームワークが必要です。
4-3.クリエイティビティ
ユーザーの心をつかむWebサイトを作り上げるためには、そのクライアントならではの特長をオリジナルコンテンツやデザインで表現していくスキル(クリエイティビティ)も大切です。Web制作会社のスタッフには、他社のWebサイトや制作パターンに固執することなく独創性・新奇性のある成果物を発想し、制作するスキルが求められます。
クリエイティビティはUI/UXやデザインを担当するデザイナーやコンテンツ制作に従事するクリエイター(Webライター・編集者・コピーライターなど)に欠かせないスキルです。また、Webサイトの要件定義を行うWebプロデューサー・Webディレクターやシステム開発を行うITエンジニアにも、創意工夫するスキルが要求されます。
4-4.担当分野の専門スキル
各職種のスタッフはそれぞれの担当領域における高い専門スキルを持っています。
たとえば、Webデザイナー・UI/UXデザイナーの場合は黄金比やカラースキームなどの基本的なデザイン理論の知見、デザインツールを使いこなすスキルはもちろん、ユーザーの心理状態や行動パターンを理解したうえでのUI設計やマークアップを実施する知識経験も必要です。
また、コピーライター・Webライターには文章力やイマジネーションスキル、情報取集スキル、Webサイトやテキストコンテンツで扱う内容への理解にくわえて、SEOや導線設計などの知見も求められます。
5.まとめ
Web制作会社の仕事内容はクライアントの要望・課題のヒアリングやリサーチ・分析からWebサイトの要件定義や設計・デザイン、システム開発や各コンテンツの制作・実装と多岐にわたります。成果を出すWebサイトを作り上げるためには、Webプロデューサー・Webディレクターやデザイナー、ITエンジニア、コピーライターや編集者など、多彩な専門スキルを持つスタッフの協働が必要です。Web制作会社のスタッフは各職種における高度な専門スキルを持つことはもちろん、Webマーケティングの知見も備えています。社内だけで内製するよりも効果的なWebサイトを実現できることがWeb制作会社に相談するメリットです。
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大規模コーポレートサイトからサービスサイトやサテライトサイトまで、アートディレクションと情報アーキテクチャ設計を融合した、クリエイティブで訴求力の高いサイトを構築します。また、フロントエンドのみならずバックエンドのシステム構築、デジタルマーケティング支援までを総合的に提供しています。
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