コーポレートサイトの作り方・制作のコツと8つのコンテンツ例
コーポレートサイトの新規公開やリニューアルの際は、その基本的な作り方を知っておくことが重要です。どのような手順で作るのか、どのようなコンテンツを含めるべきかなどの基本を把握しておくことで、制作会社とも意思疎通が取りやすくなり、制作をスムーズに進めることができます。
本記事では、コーポレートサイトの基本的な制作手順と、含めるべき8つの要素を紹介します。
コーポレートサイト制作について
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目次
1.コーポレートサイトを作る主な目的・役割
コーポレートサイトとは、企業の概要や製品・サービス内容などを紹介するWebサイトです。自社が求めるコーポレートサイトを制作するには、その目的や役割を意識する必要があります。
そもそもコーポレートサイトは何のために公開するのでしょうか。その基本的な目的は、「顧客」「社内・求職者」「投資家」の3つの対象に向けて情報を発信することです。コーポレートサイトの主な目的と役割について、以下に詳しく解説します。
1-1.顧客向けに製品・サービスを紹介する
コーポレートサイトを公開する「顧客向け」の役割は、サービスや事業内容を分かりやすくまとめて紹介することです。
製品・サービスの種類や事業内容をコーポレートサイト上に一覧化することで、自社ブランドの特徴や強みなどを顧客に対して分かりやすく提示できます。
製品やサービスの種類が多い企業の場合、総合的なコーポレートサイトとは別に、製品・サービスの紹介に特化した別サイトを用意することもあります。
製品・サービスや事業内容の全体を外観できることは、顧客からの信頼獲得や、カスタマーエクスペリエンス向上のためにも重要です。
1-2.社内・求職者向けに企業理念を発信する
社員や求職者などに向けた「人事面」での役割は、企業理念などを発信することです。
ミッション・ビジョン・バリューなどの形で企業の方針や理念を提示することで、会社全体への浸透を促し、各メンバーがそれを体現しやすくなります。
これは求職者のミスマッチを避けるためにも重要です。コーポレートサイト上で企業理念を公開することで、その内容に共感できる人材だけが集まるように誘導することになります。求職者に対して自社の魅力をアピールし、優秀な人材を集めやすくするためにも重要です。
1-3.株主・投資家向けにIR情報を公開する
投資家向けの役割は、自社の財務状況や業績などのIR情報を公開し、投資判断の参考にしてもらうことです。コーポレートサイト上にIR情報のページを作成し、財務状況など投資家の参考になる情報を公開します。
投資家はIR情報のページだけを見るのではなく、コーポレートサイト全体を見ることで判断します。事業内容や製品ラインナップはもちろん、サイトの使いやすさやデザイン性なども、投資判断に影響する要素です。
コーポレートサイト全体の質を高めることは、投資家からの信頼を得て、株価の上昇や安定を実現するためにも重要なのです。
2.コーポレートサイトを作るメリット
コーポレートサイトを作って公開することの主なメリットは、以下の3点です。
- 企業・ブランドのイメージ戦略に活用できる
- 営業・マーケティングのツールとなる
- 既存顧客のサポート窓口となる
1つのメリットは、サイトのデザインやコンテンツによって、企業イメージや世界観を表現できることです。「企業の顔」ともいえるコーポレートサイトは、ブランディング戦略において重要な役割を担っています。
もう1つのメリットは、営業・集客のツールとして活用できることです。オンラインから集客するツールとなるだけでなく、営業担当者が顧客に提示する資料としてコーポレートサイトを活用するという利用シーンも考えられます。
また、サイト上に問い合わせフォームやFAQなどのサポート用のコンテンツを設置することで、既存顧客のフォローができる点も、コーポレートサイトのメリットです。
3.コーポレートサイトの制作手順と効果的な作り方
コーポレートサイトはどのような手順で制作されるのでしょうか。効果的なコーポレートサイトを作るための基本手順を、以下に解説します。
3-1.現状調査と分析
まずは自社ビジネス全体の現状分析・調査です。自社製品・サービスの特徴を整理し、対象とするユーザーニーズを洗い出して、コーポレートサイト制作の参考にする情報を集めます。
既に公開しているWebページなどのコンテンツがあれば、その棚卸しや解析も必要です。自社の現状の全体を把握することで、この後の手順がスムーズになります。
3-2.サイトの目的・コンセプトの具体化
制作の初期段階では、Webサイトをどのように活用するか、その基本方針を決めることも必要です。
Webサイトを閲覧するユーザーの具体的なイメージを「ペルソナ」として設計し、ユーザーの購買心理やタッチポイントを可視化する「カスタマージャーニーマップ」などのフレームワークを使って、具体的な戦略を立てます。
この際、CI(コーポレート・アイデンティティ)を意識することが重要です。CIは企業の独自性を意味する言葉で、企業理念や、ロゴなどのビジュアル、社員の行動規範などによって形成されます。
自社がどのようなCIを体現したいのかを整理し、それをコーポレートサイトで表現できるよう計画することで、自社のイメージに合った方向性で制作を進めることができます。
3-3.集客施策の検討
どのようにアクセスを集めるのか、集客方法についても検討しておきます。
Webサイトは基本的に、単にインターネット上に公開しただけでは効果的にアクセスを集めることができません。特に集客ツールとして使う場合には、アクセスアップにつなげるマーケティング施策が重要になります。
アクセスを集める方法は、SNSや広告など、さまざまな手法がありますが、自社に合ったものを選ぶことが重要です。あらかじめ設定したサイトの目的やコンセプトに合わせて、適切な集客方法を検討していきます。
3-4.サイト運用体制の計画
コーポレートサイトの準備段階では、公開後の計画も立てておきます。
コーポレートサイトは公開して終わりではなく、定期的な更新・アクセス解析など、公開後の運用作業が必要です。運用の担当部署や責任者、業務フローなどを計画しておき、公開後の業務もスムーズに進行するように準備します。
3-5.要件定義・プロジェクト計画立案
ここまでに練り上げた企画内容や戦略の方向性を、具体的な開発スケジュールや要件定義書に落とし込んでいく段階です。
期日までにコーポレートサイトを公開できるよう詳しい計画を立て、メンバー同士で共有する資料を作成します。
3-6.コンテンツ要件の整理・検討
要件定義と設計の段階では、コーポレートサイトに掲載するコンテンツの整理・検討も必要です。
ここまで整理・計画してきた方針を元に、コーポレートサイトの目的を達成するための文章や動画などのコンテンツ詳細を計画します。
3-7.デザイン・UI/UX設計
コンテンツの計画と合わせて、デザインの計画も必要です。UIデザイン・画面の設計なども、具体的な実装作業に入る前に詳細に詰めていく必要があります。
コーポレートサイトのデザインは、単なる外見ではなく重要なコンテンツ・機能の一部です。見た目の美しさだけでなく、使いやすさやブランドコンセプト、CIなども意識して設計する必要があります。
3-8.制作・実装
必要な計画や設計が完了すれば、いよいよ実際の制作・実装のスタートです。
スケジュール計画や設計書・要件定義書に基づいて、実際にコーポレートサイトを公開するためのプログラミングや、サーバーやネットワークなどWeb基盤の構築を行います。
Webサイト上に掲載する記事の執筆や動画の撮影などのコンテンツ制作も、公開までに遅れず完了できるよう進行させることが必要です。
そして開発とコンテンツの制作が終われば、いよいよコーポレートサイトの公開です。公開後も、改善点がないか常に監視しながら、運用フェーズへと移行します。
4.コーポレートサイトに掲載するコンテンツの例
コーポレートサイトにはどのようなコンテンツを掲載すればよいのでしょうか。一般的に掲載されることが多い8つの重要項目を、以下に紹介します。
4-1.企業理念やMVV・代表メッセージ
企業理念や、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は、コーポレートサイトに掲載する代表的なコンテンツです。代表メッセージとして代表の写真と挨拶を載せることもあります。
企業理念を載せるための専用ページを作成し、トップページのメニューや「企業情報」のページなどにリンクを設置する方法がよく取られます。企業理念を載せるページのタイトルは「ABOUT US」「<社名・ブランド名>について」などさまざまです。
4-2.会社概要・沿革
会社概要では、以下のような項目を表などにまとめて掲載します。
- 会社名(商号)
- 本社所在地
- 設立年月日
- 代表者名
- 資本金額
- 事業内容
- 従業員数
ここでは概要だけを簡単に示し、詳細については別ページを作るのが一般的です。例えば本社以外の拠点が多くある場合、拠点情報などの別ページを設定して、支店の一覧などを記載します。
設立から今までの歴史などを年表形式で示す沿革についても、会社概要とは別に専用のページを設けることがあります。
4-3.IR情報
IR情報として記載するのは、直近の業績や財務情報、株主・投資家に向けたメッセージ、コーポレートガバナンスなどです。
IR・投資家情報などの専用ページを設けるケースもあります。
4-4.製品・サービス・事業の紹介
自社のビジネス内容の全体が把握できるよう、製品・サービスの一覧や、展開している事業内容の一覧をまとめます。
トップページのメニューなどに「事業案内」「サービス」「製品」などのタイトルでリンクを設置し、詳細を説明するページへ誘導するのが一般的です。別途、専用のサービスサイトや製品ブランドサイトへのリンクを設置することもあります。
4-5.導入事例・実績
製品・サービスの魅力を伝えるために、実績などの具体的な事例を載せることもあります。
製品・サービスについての詳細ページに、「事例紹介」や「お客様の声」などの形で、顧客のインタビュー記事を載せるなどの方法です。
特にサービスサイトや製品ブランドサイトなどで、サービス・製品の魅力を伝えるために事例を載せることが多くあります。
4-6.採用情報
コーポレートサイト上で採用情報を載せる場合もあります。興味のある企業のコーポレートサイトに直接アクセスして、求人情報を調べる求職者もいるためです。
求人募集している職種について、募集要項などを確認できるように「新卒採用」「中途採用」などに分けて分かりやすく記載します。
4-7.お問い合わせフォーム・FAQ
サポート目的のコンテンツとして、お問い合わせフォーム・電話番号・メールアドレス・FAQ(よくある質問)などを掲載することも重要です。
顧客がスムーズにサポートを受けられるよう、トップページのヘッダーやフッターなど分かりやすい場所にリンクを配置します。
特にFAQは顧客の役に立つだけでなく、コールセンターの負担を軽減したり、申込みを検討している人の疑問を解決して決断を促したりなどの目的もある重要なコンテンツです。
4-8.他の自社サイトへの導線・リンク
コーポレートサイトとは別に、オンラインショップやサービスサイト、オウンドメディアなどがあればリンクを張ります。
例えばフッターのメニューに、「オンラインショップ」のテキストリンクを設置したり、オウンドメディアにアクセスできるバナーリンクを設置したりなどです。
このように、コーポレートサイトを全サイトへアクセスできるハブのように設計すると、自社がどのようなサイトを運営しているのかが把握しやすくなります。
コーポレートサイトでおすすめの制作会社選びと効果的なデザイン・構成要素
5.優れたコーポレートサイトの作り方と意識すべきポイント
最後に、コーポレートサイトを作るうえでの注意点や、成功のために意識すべきポイントを解説します。
5-1.コーポレートサイトの役割を整理する
コーポレートサイトが自社のマーケティング戦略でどのような役割を持っているのか、十分に整理しておくことが重要です。
コーポレートサイトの役割は、既に述べた通り「顧客向け」「社員・求職者向け」「投資家向け」と大きく分けて3つありますが、どの部分に比重を置くのかによって適切な設計やデザインの方向性が変わってきます。
場合によっては目的別に「製品サービスサイト」「採用サイト」「IRサイト」など複数のサイトを別々に公開することも選択肢に入るでしょう。
役割を意識することで、自社に適したコーポレートサイトの形が明確になります。
5-2.デザイン・ビジュアルに統一感を持たせる
コーポレートサイトのデザインを考える際には、「統一感」を意識することが重要です。
企業・ブランドのイメージ戦略において、コーポレートサイトのデザインは重要度の高い要素です。ロゴはもちろん、サイトの色使いやタイポグラフィ、使う写真や動画の雰囲気によって、コーポレートサイトを閲覧する人に対して企業のイメージを伝えることになります。
かっこいいデザイン・おしゃれなデザインはいろいろありますが、自社のブランドコンセプトに合ったものを選び、統一感を持たせることが重要です。
Webデザイン制作会社のおすすめの選び方や理想のデザインを実現するコツ
そのためには、配色やフォントなどデザイン上のガイドラインを作成するなど、統一感を保つ仕組みやルールを作る必要があります。
5-3.利便性・可読性を意識する
「使いやすさ」や「読みやすさ」も、コーポレートサイトに重要な要素です。
アニメーションを多用しすぎて見にくいなど、デザイン性を追及するあまり利便性が低下しないようにする必要があります。
読みやすさで特に重要なのは、訪問者が「この情報を見つけたい」と思った時に迷わずたどり着けることです。詳しい情報へのリンクが適切に張られているなど、スムーズな導線を設計することが、利便性や可読性の向上につながります。
どこに何が書かれているか分かりにくい、同じテーマの情報があちこちに分散しているなどの問題がないよう、十分に検討することが重要です。
5-4.目的に合う制作会社を選ぶ
Web制作会社へ依頼する場合、依頼先の特徴を把握して、制作するコーポレートサイトの分野を得意とする会社を選ぶようにしましょう。
Web制作会社は、その得意分野ごとにいくつかの種類があります。例えば、集客に強い「マーケティング系の会社」や、魅力的なデザインが作れる「デザイン系の会社」などです。
依頼先の制作実績などもチェックして、自社の目的やイメージするコーポレートサイトを作る技術があるかどうか、十分に確認しておきましょう。
6.まとめ
コーポレートサイトは、顧客や社員、求職者、投資家など、さまざまな対象に向けて情報を発信するツールです。企業としての信頼性や、ブランディング戦略、集客力にも影響する「マーケティングの要」ともいえます。
目的の達成にはどのようなコンテンツが必要なのかを十分に把握し、効果的なコーポレートサイトを制作できるように準備しましょう。
コーポレートサイト制作
ターゲットユーザーすべてを見据え、競合他社を圧倒する企業・サービスのブランディング確立を目的としたコーポレートサイトを制作します。